EMS(電気的筋肉刺激)の筋肥大効果を徹底検証|ジム店長が語る真実と効果的な使い方
- ジム店長
- 3月4日
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更新日:7月7日

オールデイジム店長の私が、話題のEMS(電気筋肉刺激)について「パッドを貼るだけで筋肉が鍛えられる」という広告文に切り込みます。本記事では、実体験と最新の研究データをもとに、EMSのメリット・デメリットを科学的根拠とともに解説。購入前にぜひお読みください!
■EMSと低周波治療器の違いとは?【基本知識編】
EMS[Electrical Muscle Stimulation(電気的筋肉刺激)]は皮膚を通じて運動神経に電気刺激を送り、筋肉を収縮させる機器です。実は低周波治療器も同じ原理で動作しますが、医療機器としての認定要件が異なる点が大きな違い。
一般的にEMSは「電流値が高く」「周波数が深部筋肉に届きやすい」傾向があり、トレーニング用途にも対応しています。
比較項目 | EMS | 低周波治療器 |
電流値 | 高強度で筋収縮を誘発 | 低~中強度で痛み緩和が中心 |
周波数 | 約20~100Hz(インナーマッスルへ) | 約1~50Hz(表層筋+鎮痛) |
認定 | 一般機器、医療機器認定不要 | 医療機器認定が必要 |
■運動強度はどうなんだろう
・筋肥大効果の科学的検証【エビデンスベース】
信州大学の実験では、週3回・6週間のEMSトレーニングで筋横断面積が有意に増加したと報告されています。とくに速筋線維が活性化しやすい点が特徴です。
MTG社のデータでも、腹部へのEMS装着によって筋肉量が約5%増加した結果が確認されています。
ただし、これらの研究はあくまで「通常の筋トレと併用した場合」や「高性能EMS機器を用いた場合」の結果であり、市販の低価格モデルだけで同等の効果を得るには限界があります。
・個人的な感想
使用感で言うと、色々な部位で試してみましたが、あまり強度はないようです。少なくとも息が上がるということはありませんでした。
生理的には筋肉が30-90秒以上稼働すると、有酸素系の新陳代謝がメインとなり酸素を消費します。それにより呼吸が速くなるはずです。
つまりEMSの運動は呼吸が速くなるほどの強度ではない、もしくは極めて局所的な筋肉運動であると考えられます。良く腹筋を鍛えるのにEMSのパッドをお腹に巻くタイプの製品が紹介されますが、実際のクランチなどの腹筋運動の様に息が上がることはないはずです。
つまり、筋肉はピクピクと動くけれども運動強度としてはあまり高くないと考えられます。
■筋トレの原則に即してみると。。
筋肉はある程度限界に近いストレス刺激(重量、挙上回数、速度、等々)に適応する形で肥大します。
体の反応として「コレハツヨクナラナイト、マズイ!」となる訳ですが、刺激が弱いと適応する必要がない訳です、一日中ピクピクしても筋肉が普通にこなせれば肥大は起きません。
そもそも、電気刺激で筋肥大が起こるほどの運動強度を実現させるのは危険すぎます。
結論、極端な筋肥大は難しいのではと思われます。
■治療器としての効果はあります
ただ、筋肉が動くということで、血流が促進されるは間違いありません。アクティブレストという疲労回復方法がありますが、これはウォーキングなど低強度の運動をすることで血流を促し、疲労回復を高める方法です。
これを自動的に行うという意味では効果はあると思います。
ただ、これって低周波治療器のメリットと近いですね。
なのでEMSは「攻めた」疲労回復ツールとして使うのは全然ありかと思います。
■(まとめ)EMSが効果的な使用場面とおすすめ対象者
以下のような目的で利用すると、良いかと思います。結構お値段もするものですので、上手に使っていきたいですよね!
✔ 高齢者の筋力維持・リハビリ
筋力低下防止や可動域回復を目的とした低強度刺激に最適。
✔ 運動習慣がないビギナー
いきなり高負荷トレーニングが不安な方の導入として有効。
✔ 時間が取れないビジネスパーソン
15~20分の短時間でインナーマッスルを刺激。
⨯ 劇的なボディビル体型を目指す方、⨯ 有酸素運動の完全代替としては不向きです。
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